研究課題
沈み込み帯に関連して形成された岩石であるヒスイ輝岩中のグラファイト、およびグラファイトを含むマントル起源かんらん岩中のそれぞれに関して、局所炭素同位体分析方法を確立した後,実際に分析を行った。(0)分析方法の確立 新たな良質な標準試料を得ることができたため,その標準試料とこれまで使用して来た標準試料との差を確認し,それぞれのデータ間では、整合性があることを確認した(1)ヒスイ輝岩について 日本産 糸魚川ー青海地域から採取されたヒスイ輝岩2試料に対して、測定を行った。その結果,炭素同位体比は,マントル値の少し軽い範囲にあたる-10‰程度の値であることがわかった。これらの値から,ヒスイ輝岩の炭素の起源は,マントル由来のものか、もしくは、いくつかのソースの複合の可能性があり、現在も検討中である。(2)マントル起源かんらん岩について スペイン産 タジャンテ地域から採取された試料の測定を行った。その結果,炭素同位体比は、マントル値よりも遥かに軽い-20‰程度であり、このことから、炭素の起源は生物起源の物質がリサイクリングしている可能性が指摘される。(3)その他 三波川変成帯および京都 大文字山の試料を測定したが、炭質物の中に不純物が多く混じっており,良いデータを得ることができなかった。
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