研究課題/領域番号 |
23654188
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
近藤 忠 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20252223)
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研究分担者 |
境家 達弘 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60452421)
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キーワード | ソーレー効果 / 元素拡散 / 超高圧 / ダイヤモンドアンビルセル / レーザー加熱 / かんらん石 / 相転移 |
研究概要 |
温度場での拡散現象はソーレー拡散として知られ、主に溶液中での研究が行われているが、固体内拡散の仕組みや速度などはよく分かっていない。本研究では温度勾配場の精密評価のため、レーザー加熱光学系光ファイバーと分光器を用いた精密測温システムを新たに構築した。輻射スペクトルの光路吸収補正時に放射率の波長・温度依存性を考慮することにより、1000~ 1400Kの低温域でも高温炉の指示値と10K程度の誤差で測温が可能とした。この高温試料の両面の温度評価システムを用いて、上部マントルの代表鉱物でアルかんらん石を用いた温度場拡散実験を行った。粉末試料もしくは表面に鉄の薄膜をコーティングした単結晶試料をダイヤモンドアンビルセル中で加圧し、両面から近赤外レーザーを用いた加熱を10分-1時間程度行うことによって1000-2000K程度の試料中の温度勾配を同一位置で維持した。圧力は10GPa未満の高圧相転移を含まぬ条件から24GPa以上の分解相転移の条件まで変化させている。試料の急冷後、常圧に回収し、薄片化して内部の元素拡散を調べた。水平方向の拡散についてFE-SEMを用いた反射電子像観察による元素分布および組織変化観察と、EDSを用いた高温部から低温部にいたるFe/(Mg+Fe)比を調べて試料の不均質を評価したところ、およそ50K/μmの温度勾配で処理した試料で高温部から低温部に至る鉄分布の変化がみられ、ソーレー拡散係数として5.6*10-3K-1程度の値であることが分かった。一方で30K/μm程度の温度勾配では同じ時間の保持でも有意な拡散現象は確認されなかった。また今回はSiの有意な不均化は見られず、固溶関係にある元素間での拡散が顕著であることが実験的に示された。また試料を溶融させた場合は数分の短時間でも顕著に元素分離が見られ、高温部から殆どの鉄が外部に移動していることが分かった。
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