研究課題
ダイヤモンドにホウ素を添加することによって伝導性を獲得する。一方、グラファイトから直接変換によってダイヤモンドを作製することによって単結晶ダイヤモンドよりも高硬度の微細粒多結晶ダイヤモンドの合成が行われている。つまりホウ素を添加した微細多結晶体は導電性をもつ高硬度の物質であると予想され、その用途に着目すると重要性が高い。導電性であることから放電加工が可能であり、現在のダイヤモンドに比べて格段の加工性を有する。従って、電気的接触端子や掘削工具など工業的に広い用途をもつ。また、ダイヤモンドは他の物質との反応性が低く、X線透過能が高いことから高圧実験における抵抗加熱を行う際のヒーター材として非常に有効である。そこで、本研究では、グラファイトにホウ素を添加し、それを高圧実験によりダイヤモンドに変換し導電性多結晶体ダイヤモンドの作製を行う。また、高圧実験におけるヒーター材としての有効性の検証を行った。当初の計画では、グラファイトブロックにもともと存在する開空隙にホウ酸水溶液を含浸させグラファイトにホウ素を添加することを計画した。しかしながら、この方法では十分にホウ素を定着させることができなかった。そこで、微粒グラファイト粉末とホウ素粉末の混合体を撹拌しCIP処理を施し、ダイヤモンド変換前物質とした。これを、13 GPa、2200度の条件で高温高圧処理を施し、ダイヤモンドに直接変換した。回収したホウ素添加ダイヤモンド多結晶体に対して、放電加工が可能であることを明らかにした。つまり、工業的に有用な材料となりうることが示された。また、KMAでのヒーター材としての試験を、同様に放電加工により形状加工したホウ素添加ダイヤモンド多結晶体において行った。15 GPaの条件で2000度の発生を確認し、十分ヒーター材として機能することを確認した。
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