スウェーデンのLyngmossen高層湿原からミズゴケ堆積試料を入手した。その試料の圧搾水(SW)とその後蒸留によって得た水(DW)について、その同位体的特徴を調べた。トリチウム濃度から化石水の存在は否定された。DWとSWは系統的に異なる同位体的特徴を発達させていることについて、表層付近ではSWが凍結をDWは蒸発過程を反映し、深くなると、腐植化の影響と吸着の影響の両方が、SWとDWで現れていると判断された。吸着の影響は常にDWがSWよりも大きいと判断された。湿度と気温の指標開発は不可能であることが分かったが、腐植の影響をより強く反映する搾取水の同位体比情報は気候情報を保持している可能性も残る。
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