研究課題
本研究は、レーザープラズマ電子加速(レーザーとプラズマの相互作用を利用した電子加速)を用いて高エネルギー電子ビームを発生し、その電子群を陰極としてレーザー照射薄膜ターゲット裏面との間に電場を形成し、陽子を加速するレーザー陽子ビーム生成新手法の原理を実証することを目的としている。陽子を加速する強力な電場を発生するには、陰極を生成する電子ビームの電荷量の増強が必要であり、その増強を行った。電子ビーム発生に用いる第1レーザービームのスペクトルの最適化を行い、パルス幅を40 fsにまで短くし、レーザーパワーを増強した。波長800 nm、エネルギー750 mJ、パルス幅40 fsのレーザーパルスを長さ2 mmのヘリウムガスジェットに照射し、電子密度が1.6E+19 cm-3のプラズマから、ピークエネルギーが65 MeV、単色ピーク内の電荷量が90 pC、発散角が10 mrad 程度のエネルギーの揃った準単色電子ビーム発生に成功した。これまでより10倍程度の電荷量の増強に成功した。薄膜ターゲットを照射し陽子を発生するための第2レーザービームの整備を行い、波長800 nm、エネルギー150 mJ、パルス幅100 fsのレーザーパルスを得た。薄膜ターゲットの位置調整装置、集光照射系、陽子ビーム検出装置を完成させ、照射実験を行った。第2ビームの薄膜ターゲットへの照射のみでも、陽子ビーム発生を示唆する結果を得た。さらに、ガスジェットと薄膜ターゲットへの2レーザーパルスの同期照射を行い、本研究で提案する陽子ビーム発生実験を実施した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
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