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2012 年度 実績報告書

光イオン化により生成したカチオン-電子対の単一分子レベル測定法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 23655010
研究機関大阪大学

研究代表者

宮坂 博  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40182000)

キーワード単一分子計測 / 光イオン化 / イオン対間距離 / 電荷再結合 / 単一光子
研究概要

凝縮系の光イオン化過程によって生成する初期カチオン―電子対の対間距離分布は、その後のイオン種の反応挙動を支配する重要な因子である。本研究は、凝縮系における光イオン化過程について、より直接的な知見を得ることを目的とし、再結合発光の観測による単一分子レベルの光イオン化の検出と、プローブ顕微鏡を用いた単一ジェミネート対のカチオンおよび電子の位置測定を組み合わせ、単一分子レベルの初期対間距離分布測定方法論の探索と確立を行うことを目的とした。
23年度は、既存の光学顕微鏡とCCDカメラからなる単一分子蛍光測定システムを用いて、数100nmのサイズの微小無極性液滴を対象とし、その中に存在する単一分子からの蛍光計測を行った。蛍光分子が液中に存在する場合には、蛍光の明滅現象は観測されないが、放出された電子が液体界面にトラップされ長時間存在するイオン状態が生成した場合には蛍光のOFF状態が生成する。界面活性剤を変化させた測定結果から、三重項状態からのイオン化過程を明らかにできた。また固体系試料中の蛍光分子の明滅現象の観測と解析から、イオン化と再結合に対する吸着分子の耐久性を検討した。その結果、STM測定に適した分子系として数種の有機分子が測定に使用できることが判明した。またこれらの蛍光明滅のダイナミクスから、イオン化状態からの再結合の時間分布に関する知見を獲得した。
24年度には、研究室所有のプローブ顕微鏡に附属部品を購入し、STM測定を可能とするとともにカスタムメード光学系の構築を行った。STMによる荷電種の観測は可能であるが、発光の同時計測のためには、ステージや光学系の特殊な改造が必要であることが判明した。この点については、引き続き装置作成を継続する。以上のように、基礎データの獲得については十分な結果が得られると同時に、今後の発展に対して積極的にSTMの測定が展開できる結果が得られた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Temperature near Gold Nanoparticles under Photoexcitation: Evaluation Using a Fluorescence Correlation Technique2013

    • 著者名/発表者名
      H. Yamauchi, S. Ito, K. Yoshida, T. Itoh, Y. Tsuboi, N. Kitamura, H Miyasaka
    • 雑誌名

      J. Phys. Chem. C

      巻: 116 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [学会発表] 複合励起が拓く高度光子利用分子プロセス2013

    • 著者名/発表者名
      宮坂 博
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会
    • 発表場所
      南草津
    • 年月日
      20130322-20130325
  • [学会発表] 高分子薄膜内ゲスト蛍光分子の三次元単分子追跡2013

    • 著者名/発表者名
      多賀悠平、伊都将司、竹井敏、宮坂博
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会
    • 発表場所
      南草津
    • 年月日
      20130322-20130325
  • [図書] 発光の事典2013

    • 著者名/発表者名
      伊都将司、宮坂 博
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      朝倉書店
  • [備考] 単分子追跡法と単分子デフォーカスイメージング法

    • URL

      http://www.laser.chem.es.osaka-u.ac.jp/study/Single/SMD1.htm

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公開日: 2014-07-24  

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