本研究では、非常に単純な化合物であるインダンジカルボキサミド誘導体が水素結合形成により強固な2次元シート構造へと集合することを利用し、その構造修飾により多様な構造の次元制御とその応用を目的として研究を行った。種々の置換様式からなる縮環マロナミドはいずれも高い信頼性で2次元シート構造へと集合し、縮環構造の幅の広さに応じシート間の重なり方が制御可能であることを明らかにした。また、両端に縮環マロナミド構造をもつ誘導体では、内部に溶媒分子を取り込んだ3次元格子構造を形成すること、さらに嵩高いトリプチセン骨格を縮環した誘導体では、シートがまるまることで1次元チューブ構造を形成することを明らかにした。
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