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2013 年度 実施状況報告書

独自の側鎖配列自在制御連結系による分子折りたたみの研究

研究課題

研究課題/領域番号 23655026
研究機関東北大学

研究代表者

豊田 耕三  東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50217569)

キーワード分子建築 / 人工酵素 / 配位子 / 金属錯体 / 錯体触媒 / スペーサー / 高分子 / 有機典型元素化合物
研究概要

金属蛋白質は生体内で重要な役割を果たしているが、その機能発現状態においては配位性側鎖を含む種々の側鎖や金属の相互作用により、金属近傍や全体の構造が適切に制御されている。また機能発現に至る過程においては活性型構造への分子折り畳みも重要である。本課題研究は、側鎖の種類と順番、即ち側鎖シークエンスを制御して連結した大規模な分子系を構築してその分子折り畳みと機能発現について知見を得ようとするものである。先に申請者らが開発した有用なスペーサーユニットである4,7-ジブロモベンゾ[b]チオフェンの代替合成法として、平成24年度に取扱い容易な1-アダマンタンチオールを用いる方法について検討し、2通りの合成経路を見出したが再現性の問題や反応条件最適化の問題が残った。
そこで平成25年度はこれら合成法の反応機構に関する知見を得る検討や、より良い反応条件の探索に関する研究を行った。溶媒や温度を変えて検討したところ、大平-ベストマン試薬により直接合成する経路では、従来法より1段階少ない経路で再現性よく目的物が得られたものの、収率はあまり向上しなかった。もう一方の、ハロゲン化チタンを用いる合成経路に関しては副生成物が多く、反応を停止させるタイミングが重要であることがわかった。収率改善のためには副生成物の構造決定とその副反応の抑制方法が重要になってくるため、反応混合物の分離精製を検討したところ幾つかの副生成物を単離することができ、その構造に関する知見を得たが、一部構造未決定のものも残った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

人事異動に伴い実験室も移動したが、移動直後は実験設備の整ったスペースが大幅に減り、共用実験設備の利用可能時間が相対的に少なくなるなど、スペース拡大と設備補充など実験環境の改善に時間がかかり、この間の4,7-ジブロモベンゾ[b]チオフェン改良合成法の検討ならびに最適化に時間を要した。そこで期間を延長してこの改良法による合成実験を行うこととなった。

今後の研究の推進方策

本研究課題において重要な化合物である4,7-ジブロモベンゾ[b]チオフェンの改良合成法に関して、引き続きその反応機構や収率向上の検討を行い、得られた結果を基にこの改良合成法の規模を上げた合成実験を実施する。

次年度の研究費の使用計画

人事異動に伴い実験室も移動したが、移動直後は実験設備の整ったスペースが大幅に減り、共用実験設備の利用可能時間が相対的に少なくなるなど、スペース拡大と設備補充など実験環境の改善に時間がかかり、この間の4,7-ジブロモベンゾ[b]チオフェン改良合成法の検討ならびに最適化に時間を要した。そこで期間を延長してこの改良法による合成実験を行うこととなった。
本課題研究において重要な化合物である4,7-ジブロモベンゾチオフェンの合成法の開発に成功しているが、当該化合物の大規模合成のためには環境に配慮した極微香の改良合成法を使用することが望ましい。2通りの合成経路を見出しているので、その反応機構や収率向上の検討、およびこの改良法に基づく合成実験を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 1-アダマンタンチオールを用いる4,7-ジブロモベンゾ[b]チオフェンの合成

    • 著者名/発表者名
      佐々木欣宏・岸大貴・豊田耕三
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学 東山キャンパス
  • [学会発表] 構造生物学に刺激される、構造有機化学の挑戦

    • 著者名/発表者名
      豊田耕三
    • 学会等名
      第36回教師のための化学教育講座
    • 発表場所
      金属鉱業研修技術センター

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公開日: 2015-05-28  

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