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2011 年度 実施状況報告書

糖の化学的還元反応の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 23655057
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

松尾 司  独立行政法人理化学研究所, 機能性有機元素化学特別研究ユニット, 副ユニットリーダー (90312800)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード糖 / ヒドロシラン / 還元 / 炭化水素 / アルコール / シロキサン
研究概要

本研究では、天然の炭素ー炭素結合化学種である糖に着目し、ヒドロシランを用いて化学的に還元することにより、アルカンやアルコールなどの有用物質に変換することを目的としている。糖の炭素骨格を活用して種々の炭化水素やアルコール類を合成するとともに、糖の酸素原子をシロキサン骨格へと導入し、原子効率に優れた分子変換反応の開拓を目指している。初年度である平成23年度は、単糖のヒドロシランを用いた化学的還元反応について中心に研究を行った。代表的な強いルイス酸であるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの存在下、脱水したD-グルコースとトリエチルシランとの反応について調査した。脱水した重ベンゼンを溶媒とした1H NMRスペクトルによる反応追跡では、水酸基のシリル化に伴う水素分子の発生、および、エーテル結合の切断に伴うシロキサンの生成を確認した。しかし、ベンゼンに対するグルコースの溶解性が乏しく、反応は非常にゆっくりと進行し、最終生成物であるヘキサンの生成までは確認されなかった。また、グルコースとジメチルフェニルシランとの反応を調査した。1H NMRスペクトルによる反応追跡では、トリエチルシランと比べて反応速度が格段に速くなることがわかった。しかし、複雑な混合物が生成していることが示唆され、マススペクトルにおいて最終生成物であるヘキサンの生成は確認されなかった。用いるルイス酸触媒やヒドロシランの量を増やして、同様に反応追跡を行ったが、反応条件の最適化には至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

挑戦的萌芽研究では、真正面から糖の化学的還元に取り組んでいるが、現在のところ、反応条件の最適化には至っておらず、研究はやや遅れている。チャレンジングなテーマであり、種々の炭素鎖の糖を用いて化学的還元反応を調査し、突破口を見いだしたい。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、23年度に引き続き、糖の化学的還元反応の開拓にチャレンジする。種々の炭素鎖の糖を用いて、化学的還元反応を調査する。種々のヒドロシランを用いて、糖の化学的還元反応を調査する。ルイス酸の種類、触媒量、溶媒、温度など、反応条件を精査する。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度は、理化学研究所において、実験補助パートタイマーへの謝金等を計上していたが、適当な人がみつからなかったため、未使用額(624,338円)が発生した。平成24年度は、近畿大学において引き続き、実験補助パートタイマーの適任者を探すととともに、一部の研究は、学生と一緒に進める予定である。他に、試薬や溶媒、ガラス器具、小型実験装置などの消耗品、研究打ち合わせや学会発表などの国内旅費、その他、印刷代などに使用する計画である。

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公開日: 2013-07-10  

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