医薬、環境科学、工業材料などの分野において、光学異性体や構造異性体の精密分離・分析は重要な技術である。本研究では、キラル分子が形成するユニークな分子配向体が形成する立体特異的ナノ空間(ナノキャビティ)を利用した分子形状の精密認識システムの開発を目的とし、水中、有機溶媒中で一次元キラル分子配向体を形成するグルタミド誘導体を多孔質シリカ粒子界面にグラフト化するとともに、その分子認識能について評価した。その結果、市販の分離剤と比較して構造異性体、幾何異性体に対する高い分子認識能を示すとともに、ビタミン類やトコフェロール類などの生態関連分子に対しても高い認識能を示した。
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