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2012 年度 実績報告書

人工触媒によるエステル不斉加水分解への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 23655087
研究機関九州大学

研究代表者

徳永 信  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40301767)

キーワードエステル / 不斉加水分解 / キラル相間移動触媒 / 2-アリールプロパン酸エステル類
研究概要

エステルの不斉加水分解は、酵素や微生物を触媒として早くから利用され工業化もされてきた実用反応である。一方で、触媒的不斉合成が大きく発展し、今や不斉反応が実現されてない反応を探すほうが難しい状況になった現在でも、エステルの不斉加水分解は難題として残されている。応募者らは、エステルの不斉加水分解も、酵素のような極めて精巧に制御された空間と多点認識による相互作用は必要なく、シンプルな分子触媒、特に有機分子触媒で行うことができると考えている。すなわち酵素のような極めて精巧に制御された空間と多点認識による相互作用は必要ない。そこで「エステルの塩基加水分解の不斉反応化」を考え、有機分子触媒である不斉四級アンモニウム塩を用いた研究を行ってきた。この触媒系はこれまでに有機触媒としてキラルなエノラートによるアルキル化反応などで実績があるが、ここでエノラートではなく、アンモニウム近傍にキラルなOH-を発生させ基質と反応させることにより不斉加水分解を達成する計画である。今回、エノールエステル、ジエニルエステルの加水分解的プロトン化で最高95%eeを達成した。反応機構に関して、NMRのNOE測定およびDFT計算で調べたところ、反応前の触媒の構造では、OH-の位置は触媒9位水酸基と水素結合することにより規定されこの付近にいることがわかった。また、不斉プロトン化ではなく、不斉加水分解の形式で進行するN-アシルアミノ酸エステルや2-アリールプロパン酸エステル類の加水分解でも最高85%eeの選択性が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Hydrolytic Enantioselective Protonation of Cyclic Dienyl Esters and a -diketone with Chiral Phase-transfer Catalysts2012

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, E.
    • 雑誌名

      Org. Lett.

      巻: 14 ページ: 6178-6181

    • DOI

      10.1021/ol3027363

    • 査読あり
  • [学会発表] Asymmetric Base Hydrolysis of Esters Catalyzed by Chiral Quaternary Ammonium Salts

    • 著者名/発表者名
      M. Tokunaga
    • 学会等名
      17 th Malaysian Chemical Congress 2012 (17MCC),
    • 発表場所
      マレーシア
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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