「金属触媒によるリビングラジカル重合」に対し,溶媒分子が弱く配位した「カチオン性ルテニウム錯体」が触媒として機能することを見出し,モノマー認識触媒に対する足がかりを得た。また,このカチオン性錯体の触媒プロセスが,配位子の脱離を伴わない機構であることを見出し,組み合わせる配位子を多様化させ,金属まわりの環境設計が可能になった。さらにフェロセン助触媒を組み合わせた協奏触媒機構を見出し,触媒活性を著しく高めることに成功した。また,これらの知見から,超高活性水中重合触媒や,高耐性鉄触媒などを展開し重合触媒の機能化を実現した。
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