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2013 年度 実績報告書

ルビジウムによる特異な酸素還元触媒メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23655121
研究機関東京工業大学

研究代表者

北村 房男  東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (00224973)

キーワードルビジウム / タリウム / 酸素還元反応 / 電極触媒 / 金電極
研究概要

本研究は、ルビジウムイオンを含む塩基性水溶液中における金電極での酸素還元反応(ORR)が、他のアルカリ金属イオンの場合に比べて著しく促進される現象について、そのメカニズムを解明することを目的として実施した。前年度までの研究において、酸素還元反応に対して活性を示すと考えていたルビジウムに加えて、他の微量成分の存在が反応を著しく促進する効果をもつ可能性が示唆されてきた。そこで、種々の市販されている高純度硫酸ルビジウム試薬を用いて酸素還元特性を再検討した。その結果、試薬により活性に大きな違いが見られることが明らかになった。高い活性が得られる硫酸ルビジウム試薬を含む水溶液中に金電極を浸漬し、溶液から引き上げてXPSにより表面分析を実施したところ、微量のタリウムイオンが吸着していることが判明した。ICP-MS発光分析法を用いて溶液組成についてかなり詳しく分析を行ったが、XPSで検出されたタリウムイオンの量は、この手法では検出できないほどの低濃度レベルであった。そこで、水酸化ナトリウム水溶液中にタリウムイオンを微量添加して、金電極での酸素還元反応を調べたところ、同反応に対する活性が向上することがわかった。しかし一方において、酸素発生反応に対する活性はほとんど見られなかった。以上の実験事実に基づいて、ルビジウムイオンの及ぼす効果を正しく見極めるためには、タリウムイオンの及ぼす影響を評価することが先決である、という結論に達した。銀や銅など、他の金属電極についてもタリウムイオンが効果を示すかについて検討を行ったが、金に対する効果が最も大きいことがわかった。XPSによる検討の結果、吸着したタリウム原子が金原子に対して電子的な影響を及ぼしている可能性が示され、このことが酸素還元反応に対する触媒能の向上に寄与しているものと考察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 電極界面の赤外分光測定2013

    • 著者名/発表者名
      北村房男
    • 学会等名
      第59回ポーラログラフィーおよび電気分析討論会
    • 発表場所
      石垣市民会館
    • 年月日
      20131128-20131201
    • 招待講演
  • [学会発表] 白金の電極触媒活性に及ぼす異種金属イオンの効果2013

    • 著者名/発表者名
      銭 夢寧、北村房男
    • 学会等名
      第59回ポーラログラフィーおよび電気分析討論会
    • 発表場所
      石垣市民会館
    • 年月日
      20131128-20131201

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公開日: 2015-05-28  

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