ルビジウムイオンを含む塩基性水溶液中において、金電極での酸素還元反応(ORR)が著しく促進される現象のメカニズムを解明する上で、ルビジウム以外の他成分の存在がORR活性へ大きく影響を及ぼすことが明らかとなった。そこで、最も高い活性の得られる試薬についてICPやXPSによる化学分析を実施したところ、微量のタリウムが検出された。そこで、タリウムイオンを微量添加して実験したところ、ORR特性が大きく改善されることがわかった。タリウムの影響解析を軸に研究を実施したところ、金表面に吸着したタリウムが、表面水酸基の量や金の電子状態に影響を与えていることがXPSなどの手法により明らかとなった。
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