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2011 年度 実施状況報告書

収束電子ビームを用いたナノ切削による新奇パイ電子系物質の創製と構造物性研究

研究課題

研究課題/領域番号 23655125
研究機関名古屋大学

研究代表者

北浦 良  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50394903)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードグラフェン / 電子顕微鏡 / 電子物性
研究概要

収束電子ビームを用いてグラフェンのナノ加工を行うため、化学気相成長法によるグラフェンの成長条件の最適化と、TEMグリッドへの転写の条件検討を行った。その結果、グレインサイズが100マイクロメートル以上にも達する大面積グラフェンの成長に成功するとともに、ポリマーを用いない直接転写を適用することで、大面積かつクリーンな架橋グラフェンを作成することに成功した。 作成した架橋大面積グラフェンを用い、まずは電子ビームリソグラフィを用いて、収束電子ビームによるナノ加工実験の対象となる1~10ミクロン程度の大きさに加工することを試みた。この結果、幅が10ミクロン程度のリボンを作成することに成功した。しかしながら、作成の際にゴミが付いてしまうこと、溶液処理を解すことによって端が折れ曲がってしまうこと、などが問題となり、収束電子ビームを用いたナノ加工を行うための理想的なサンプル作成には至っていない。 上記実験と並行して、ナノ加工と電子物性計測を同時に行うために、貫通孔を開けたシリコン基板に電極をパターンニングしたものを試作した。貫通孔の幅の制御に若干の問題を残すものの、実験に供するに可能な基板を大量に作成することに成功した。 今後は、収束電子ビームを用いたナノ加工実験に適した試料作成のため、試料の精製と溶液処理を介さないプロセスを開発するとともに、上記の電極付き基板への転写を行い、実際にナノ加工をしながらグラフェンの電子物性計測を行なっていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目の目標としていた架橋グラフェンの作成条件を絞り込むとともに、次年度に必要となる電極をパターンニングした基板の作成プロセスを確立することが出来た。以上から、順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

架橋グラフェンの作成を続けると共に、収束電子ビームを用いたナノ加工実験に適したサイズにするためのプロセスを確立する。現在の予定では、より高品質のグラフェンを用いること、溶液プロセスを用いないこと、水素プラズマ処理による不純物の除去、の適用を予定している。 上記のプロセスを完了出来れば、収束電子ビームを用いた実験へと進み、最終的にはグラフェンの原子レベルでの構造を観察、加工しつつ、同時に電子物性を計測する実験を行い、構造と物性の相関について詳細な理解をしたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

化学気相成長法によるグラフェン合成に必要となる各種ガス、電極をパターンニングした貫通孔付きシリコン基板の製作費が、主となる。また、最終年度のため、各種学会発表および論文投稿費用にも使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Preparation of suspended graphene and graphene nanoribbons devices compatible with transmission electron microscopy2012

    • 著者名/発表者名
      Shoji Suzuki , Ryo Kitaura, Yuki Sasaki, Keiichi Kamon, Yasumitsu Miyata and Hisanori Shinohara
    • 学会等名
      フラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会総合シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2012年3月7日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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