研究課題
DNAのメチル化やヒストン修飾に代表されるクロマチンの構造変化は、エピジェネティックに遺伝子発現を調節し、発生や分化、疾患などの高次生命現象と密接に関わっている。癌に代表される疾患でエピゲノム情報が大きく変動することが知られており、診断や創薬のターゲットとしても注目されている。哺乳動物におけるDNA修飾は、主に5-メチルシトシン(m5C)をはじめとして、近年、5-ヒドロキシメチルシトシン(hm5C)、5-ホルミルシトシン(f5C)、5-カルボキシシトシン(ca5C)などが発見されているが、他にも未知のDNA修飾が存在する可能性が示唆されている。本研究において我々は、高感度な質量分析法を駆使することでヒトおよびマウスのゲノム中からいくつかの新規DNA修飾体を見出した。そのうちの一つについて、精密質量の測定から元素組成の決定や衝突活性化解離法による化学構造の解析を行い、候補となる修飾構造を推定した。実際に、有機化学的に合成した標品と比較することにより、化学構造を決定することに成功した。今後は、この新規DNA修飾に対する抗体を作成し、免疫沈降したゲノム断片のDeep seq解析により、ゲノム上の修飾部位を解析する予定である。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 8件) 備考 (4件)
Nature Chem Biol.
巻: 9 ページ: 105-111
doi: 10.1038/nchembio.1137
Nucleic Acids Res.
巻: 41 ページ: 2621-2631
doi: 10.1093/nar/gks1344
J. Biol. Chem.
巻: 288 ページ: 7645-7652
doi: 10.1074/jbc.M112.439554
RNA
巻: 22 ページ: 2269-2276
doi: 10.1261/rna.035600.112
PLoS ONE
巻: 7 ページ: e39297
doi: 10.1371/journal.pone.0039297
Nucleic Acids Res.,
巻: 40 ページ: 8033-8047
doi: 10.1093/nar/gks506
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2012/12122001.html
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=326829&lindID=5
http://first.lifesciencedb.jp/archives/6418
http://59.106.161.11/en/todai-research/research-news/essential-trna-modification-stands-in-the-spotlight/