研究課題/領域番号 |
23655181
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
石川 雄一 大分大学, 工学部, 教授 (30184500)
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研究分担者 |
戸高 孝 大分大学, 工学部, 准教授 (50163994)
信岡 かおる 大分大学, 工学部, 助教 (10398258)
北岡 賢 近畿大学, 工学部, 助教 (50457602)
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キーワード | イオン液体 / 膨張化炭素繊維 / 炭素の化学修飾 / 磁性流体 / 白金系抗ガン基 |
研究概要 |
イオン液体型磁性流体の探索で、界面活性剤無しでフェライトをイオン液体中に安定分散できることを見いだした。しかし、実用化に耐える飽和磁化の大きさに問題があった。フェライトでは飽和磁化が鉄に比べて極めて弱いため、大きな飽和磁化の鉄粒子のイオン液体分散体開発を最終年度の目的とした。MR磁性流体とするためにナノではなくマイクロメーターサイズの鉄粒子を用いると、鉄粒子の沈殿と媒体とに分離しやすい。この課題を解決するために二つの方法論で展開した。 方法論1.鉄粒子に配位して溶解性を増加させるポルフィリンの合成方法の確立と、炭素繊維をイオン液体に分散させることで鉄粒子の沈殿防止を試みた。炭素繊維の表面に配位性官能基を多く導入することを検討した。グラム当たりμモル量のカルボン酸などの官能基を持つ膨張化炭素繊維を利用して抗ガン性のプラチナ錯体を固定できた。しかし、6μmサイズの鉄に配位させて安定なイオン液体の分散体を得るためには、さらに高い官能基濃度を持つ炭素繊維が必要となった。硫酸/過酸化水素水で膨張化炭素を処理することでカンボン酸密度を倍増できることを見いだした。さらに、フェントン反応を膨張化炭素に施すことで水酸基濃度を増やす事も可能とした。これらの反応温度は高すぎても、低すぎても官能基濃度の低下をもたらし、最適温度の設定が不可欠な事を確認した。また、白金錯体を固定した膨張化炭素繊維の抗ガン能について特許申請を行った。 方法論2.イオン液体のアニオン自身に磁性を持たせたイミダゾリウムFeCl4-塩中での鉄粒子の分散安定性を評価した。鉄の周りに磁気相互作用で被覆させる事を意図したものであったが、現時点ではこの磁性イオン液体でも安定に6マイクロメーターサイズの鉄粒子の分散体を得ることができなかった。 方法論2に1を相乗させたイオン液体型MR流体の開発を継続している。
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