研究課題/領域番号 |
23655191
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
菅野 了次 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (90135426)
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研究分担者 |
平山 雅章 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 講師 (30531165)
小林 玄器 神奈川大学, 工学部, 助手 (30609847)
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キーワード | ヒドリドイオン / 固体電解質 / ヒドリドイオン導電体 / ヒドリドイオン伝導体 |
研究概要 |
イオン導電体は燃料電池や蓄電池、センサーのキーマテリアルである。これまで存在しなかったイオン種の高速イオン拡散の発見は、新たなサイエンスを作ると共に、エネルギー貯蔵・変換デバイスへの展開は画期的なエネルギーデバイスの発見へとつながる。本研究ではこれまでに報告例のないヒドリド導電体の物質探索を行った。ヒドリドイオンは水素原子に電子が加わったH―イオン種である。ヒドリドイオンのみが固体内を高速で拡散する現象の報告はなく、初めてのヒドリドイオン導電体の探索・発見を目指した。本研究では、K2NiF4型構造を持つ酸化物のうち、遷移金属を含まないLa2LiO3Hに着目し、構造中にH-イオンが化学量論組成で存在すること、H-含有量の変化する固溶領域が存在することを明らかにした。固溶領域の組成変化によって結晶の対称性が正方晶から斜方晶に変化すること、イオン導電率も組成変化と構造変化に伴って変化することを明らかにした。高温領域でのイオン導電性は10-3Scm-1程度で、初めてヒドリドイオン導電性を検出することができた。また、イオン導電性の向上のために格子間イオンや格子欠陥を系統的に導入し、イオン導電性と結晶構造、組成との間には密接な相関関係があることを見いだした。H-イオン導電性隔膜が得られると、高密度電池、燃料電池、水素貯蔵などへの応用が期待され、これまで考えられなかったシステムが可能になる。Li-H電池、プロトンーヒドリド変換による発電などの応用の世界が広がる。本研究で開発したヒドリドイオン導電体により、今後、エネルギー変換デバイスへのあらたな展開を進める予定である。
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