研究概要 |
本研究の目標は、高密度・高温動作記録デバイス等への応用を目指し、形状を高度に制御した酸化チタン系ナノチューブ内部に、直径3~5 nm のナノ酸化鉄粒子を高密度に充填した「チタニアナノチューブ/ナノ酸化鉄ピーポッド」を新規に合成することである。 さらに、これを強磁場中で配向成膜することにより、上記ピーポッドが高密度に配向したハイブリッド薄膜を創製するとともに、磁気力顕微鏡(MFM)等を用いて磁区構造を詳細に評価し、ナノマニピュレータを用いた書き換えや回路形成についての検証を行うことが当初目標である。研究の進展に伴い、材料系については微修正を行ったものの、3年間の研究により当初目標に匹敵する非常にユニークな材料の合成に成功した。 平成25年度は、「①材料合成」についての検討を引き続いて行うとともに、「②薄膜形成」に関して、配向化についての検討を行った。当初目標と同等の構造を実現するために、酸化チタンナノチューブ配向二次元膜と類似の構造を有する、多孔質陽極酸化アルミナ膜中に、モデル材料である酸化チタン微粒子(J. Ceram. Soc. Jpn.,121 [10] 915-918 (2013).)、および、強誘電体であるチタン酸バリウム微粒子(J. Mater. Sci. Nanotech., in press)を充填した構造を作製することに成功した。
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