研究課題
生分解性ナノポーラス材料を精密合成する手段として、リビング重合可能で、弱アルカリで容易に分解可能なポリヘキシルイソシアネートをエッチング部位に用いた。また、自己組織化による規則的な相分離を達成するために、クリック反応およびリビング重合を用いてポリヘキシルイソシアネートを含んだブロックおよび星型共重合体を精密合成した。具体的には、クリック反応によりポリヘキシルイソシアネートの末端に水酸基を導入し、この水酸基を開始剤としたラクチドあるいはラクトン類のリビング開環重合により分子量が制御された精密共重合体(ポリヘキシルイソシアネート-b-ポリラクチドおよびポリヘキシルイソシアネート-b-ポリラクトン)を作成した。得られたブロックポリマーの自己組織化による最適な相分離状態を探求した後、ポリヘキシルイソシアネート部分をエッチングすることにより、ナノポーラスポリ乳酸あるいはポリラクトンの創製を作成した。ナノポーラス膜の孔径は使用するブロックコポリマーの形状に依存し、例えば、ポリラクチドが2本鎖、3本鎖の星型ブロックコポリマー（ポリヘキシルイソシアネート-b-（ポリラクチド)2あるいはポリヘキシルイソシアネート-b-（ポリラクチド)3）をすると、ポリラクチドの本数の増加に伴って孔径が小さくなる傾向があることを明らかとした。ポリラクトンの場合も同様な傾向を確認した。結果として、ポリヘキシルイソシアネートを含んだブロックおよび星型共重合体を用いることで、生分解性ナノポーラス高分子材料の簡便調整法を確立した。
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Macromolecules
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