ドープした有機半導体の結晶の育成法とその熱電効果を実験的に研究した。常温で固体であるアントラキノン(AQ)と、融点を持たない銅フタロシアニン(CuPc)を混合して加熱することにより溶解させ、同系の融点-組成曲線を得た。また、溶媒AQを昇華させることにより結晶成長を試み、CuPcのmmサイズの単結晶を得た。さらにFeCl3をドーパントとして加えて多結晶試料を作製した。XPSと近赤外分光により電荷移動度が組成に依存することを明らかにした。ドープした試料は純粋なCuPcに比べて電気伝導度とゼーベック係数の両方が向上した。
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