本研究は、周波数30THz以下のテラヘルツ光源についてフォノンを用いたデバイス原理・構造の提案を目的とした。研究の結果,膜厚半波長以下のGaNおよびAlN薄膜において,ヘテロ界面での分極電荷によるp偏光の電気双極子吸収が確認された。ストライプ型段差構造ではs偏光において効果が確認された。同一振動面に二つのフォノンモードを持つp-GaInPにおけるラマン散乱スペクトルを解析し,価電子帯間の電子遷移による連続準位とLOフォノン2準位との間にファノ効果と同様の量子干渉の成立が確認され,LOフォノン系電磁誘起透明化を用いた光密度閾値のないTHzコヒーレント光発生が原理的に可能であることが分かった。
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