水中アーク放電法によりカーボンナノオニオンやカーボンナノチューブを合成した。その合成時に、アークプラズマができる部分に超音波照射した。本年は、この操作を行うための装置を新たに開発、作製した。さらに、高速度カメラにより、反応場の高分解能撮影を行なった。実験結果では、今のところ超音波照射による生成物の構造の変化や特性の変化の確認はできていない。ただし、この結果は、水中アーク放電法におけるカーボンナノオニオンやカーボンナノチューブの生成過程を解明するために重要な情報を与える。すなわち、カーボンナノオニオンやカーボンナノチューブは水中アーク放電の反応場でできる気泡の気液界面近傍ではなく、その中心部あたり生成していると考えることができる。追加実験として水中アーク放電法にチタン酸バリウムを電極内に入れた時、チタン酸バリウム由来の新規ナノチューブを合成することに成功した。
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