波長1nm前後の中性子は、鏡面にすれすれに入射(斜入射)させると全反射を起こす。本研究では、Ⅹ線の結像用に開発してきたウオルターミラー(ひとつの焦点を共有する軸対称の双曲面ミラーと楕円面ミラーを連結したガラス製のミラーで、反射面に白金をコートし、反射率を上げた)を用いて中性子の集光および結像を試みた。原子炉からの中性子(波長0.6~1nm)をウオルターミラーで集光結像した結果、倍率280分の1の縮小像を得た。検出器には中性子用のイメージングプレートを用いた。中性子位相差顕微鏡用の4分の1波長板材料として銅を用いた場合、波長0.6nmの中性子に対し9ミクロンの厚さが必要な事が示された。
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