研究課題/領域番号 |
23656061
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 裕之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00314378)
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キーワード | バイオ燃料電池 / グルコース / 金ナノ粒子 / 表面プラズモン共鳴 / 電気化学測定 / カーボンナノチューブ |
研究概要 |
金ナノ粒子や酸化チタンナノ粒子をカーボン材料に修飾したナノ構造電極を作製し、グルコースなどの単糖類や多糖類、バイオエタノール等を酵素を用いずに電気化学酸化するバイオ燃料電池機構に光触媒効果を組み合わせ、太陽光とバイオマス、2つの再生可能エネルギーを利用する新しい仕組みのカーボンニュートラルなエネルギー変換技術の原理確認や実験的検証に取り組んだ。親水処理したカーボンペーパーに酸化チタンナノ粒子と金ナノ粒子を修飾したナノ構造電極を作製した。金ナノ粒子修飾法として、酸化チタン上で金イオンを還元する手法、あらかじめ合成した金ナノ粒子を吸着させる手法等を比較し、後者の手法で作製した電極がより大きな酸化電流を生じることが分かった。作製したナノ構造電極を用いて水、メタノール、エタノール、グルコースの電極酸化反応やその光照射効果について調べた。光を照射しない場合酸化電流はほとんど検出されないが、20mWのUV光照射によって酸化電流が観測された。金ナノ粒子を修飾した電極では、修飾していない場合に比べて2倍近い酸化電流の増加が見られた。当初、アルカリ環境下では修飾した酸化チタンが剥離するという問題点が見られたが、熱処理の温度や時間を検討することにより問題点を解決出来たため、今後、金ナノ粒子の触媒効果がより顕著になるアルカリ環境下での電気化学特性について測定できる準備が整った。また、レーザー加工機を利用してアクリル基板を加工することにより、ナノ構造電極を組込むための燃料電池のフレームを作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金ナノ粒子と酸化チタンナノ粒子をカーボンペーパーに修飾したナノ構造電極に光照射することにより、グルコース、エタノール、メタノールの酸化ピーク電流が増大することを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
電極構造の最適化、溶液のpHの検討により光照射による酸化ピーク電流を向上させる。実際に燃料電池構造を作製し、その発電特性について評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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