研究課題/領域番号 |
23656069
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西脇 眞二 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10346041)
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研究分担者 |
泉井 一浩 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90314228)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 構造最適化 / トポロジー最適化 / 電磁波デバイス / エラストマー / 有限要素法 |
研究概要 |
ゴム材料に誘電性セラミックを混合し成形した高誘電性エラストマーは,荷重を負荷したときに誘電率を大きく変化させる.本研究では,この高誘電性エラストマーの誘電率の変化を利用した高機能な電磁波デバイスの構造創成設計の開発を目的に,力学的な変形による誘電率の変化と,それに伴う電磁波特性の変化を考慮可能な解析手法と,その解析手法に基づく新しいトポロジー最適化の方法論を構築する.これにより,非線形を伴う構造問題と電磁気問題の連成解析手法と,それに基づく新しい最適設計技術,さらには数学的および力学的見地に基づき高機能なリモートセンシングデバイスやアンテナなどの構造設計が可能となると期待できる. 本年度は,まずゴム材料の性能に関連する幾何学的非線形性を考慮可能な解析・構造最適化法の開発の一環として,粒子法に基づくトポロジー最適化の方法を,コンプライアントメカニズムメカニズムの構造設計問題に適用可能なように拡張を図った,次に,ゴム材料である超弾性体を取り扱えるように,材料の構成式の修正を検討した.さらに,粒子法による構造解析法と電磁波伝搬解析法の統合化を前提としたレベルセット法によるトポロジー最適設計法の基礎検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度より参画し,主に研究を遂行する予定であった博士課程の学生一名が,事情により事実上一年休学状態に入ったため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,本年度の進捗の遅れを挽回するため,博士課程の学生一名と,修士課程の学生一名の参加を予定している.次年度は,まず粒子法による構造解析法と有限要素法による構造解析法の妥当性・有効性を比較,再検討する.粒子法による方法が有効であれば,予定通り,粒子法による構造解析法と電磁波伝搬解析法の統合化を前提としたトポロジー最適設計法を構築する.有限要素法による方法が有効であれば,有限要素法による構造解析・電磁波伝搬解析を基にしたトポロジー最適化の方法論を構築する.さらにその方法論の構築の際には,次年度の当初の予定であった高機能な電磁波デバイスの構造創成を目的とした最適化問題の定式化について検討を行う.この定式化には,多目的最適化の幾つかの方法論を適用してみる予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は,博士課程の学生一名の参画がなかったため,実質的な経費を使用することなく研究が遂行できたので,全額次年度に持ち越すことにしている.次年度には,数値解析に必要なコンピュータと研究のプラットフォームとしている汎用解析FEMソフトCOMSOLの増強を行い,より一層研究を進める.さらに,研究成果については,国際会議・国内会議に出席して積極的に発表する予定である.これらの増強および国際会議・国内会議の集積に研究費を集中的に使用させていただく予定である.
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