研究概要 |
新しい引張試験手法を開発し,一辺の長さが 189 nm の正方形断面を有する金単結晶ナノワイヤに適用した.ナノワイヤは菱形形状を有するシリコン製のフレームに取り付けられており,フレームの上面に圧縮負荷を行うことで引張変形を与えることができる.荷重は負荷の初期段階では単調に増加するが,ある変位に達すると急落した.透過型電子顕微鏡を用いたその場観察によって,荷重の急落は結晶学的なすべりの発生に起因していることを示した.降伏時の臨界分解せん断応力を 325.8 MPa と見積もり,この値は, バルク材のそれに比べて 600 倍以上大きいことが明らかになった.
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