摺動面の寿命を向上させるために、表面を鏡面に仕上げた“はじめからなじみ切った”摺動面、および表層に高さ10μm程度の凹凸を転写してから厚み10μmの潤滑膜を付与した“積極的になじませる”摺動面を製作した。 前者の鏡面研削した円筒同士で摺動加速試験を行った結果、寿命が10倍程度長くなることが確認できた。2つめの犠牲膜付与加工を行った摺動面は、試験開始直後1 分間で潤滑膜が剥がれることが分かった。これを解決するために、フィラーを添加した複合めっき膜付与で摺動面を強化した。直径数μmの粒子をめっき浴に混合することで、表面に10μm程度の凹凸ができ、従来のめっき膜よりも高い硬度を実現した。
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