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2012 年度 実施状況報告書

ナノ構造体による毛管凝縮現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23656129
研究機関東京大学

研究代表者

杉井 康彦  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90345108)

キーワード毛管凝縮 / ナノ構造体 / 凝縮速度
研究概要

4大学ナノ・マイクロファブリケーションコンソーシアムにて所有しているクリーンルーム、スパッタリング装置、電子線描画装置、マスクアライナーおよびドライエッチング装置などを用いて、描画条件やエッチング条件の検討を行い、ガラス基板へのナノピラーなどによるナノ構造体の作成方法を確立した。AFMおよび光干渉型表面形状測定装置を用いて、作成したナノ構造体の形状を計測し、加工精度の検証を行った。ナノピラーのサイズ、間隔を500~2000nmと変化させた4種類のナノ構造体を1枚のガラス基板に作成し、ナノ構造体のサイズと毛管凝縮速度の関係を調べることが可能となった。
ナノ構造体間に凝縮する水のダイナミクスを調べるため、環境制御型電子顕微鏡を用いた可視化計測法を検討した。低真空状態において、湿度を制御した水蒸気をチャンバーに導入し、ペルチェ素子により観察ステージの温度の制御することによって生じる凝縮水を観察することを試みた。特に、環境制御型電子顕微鏡に湿度を制御した水蒸気を導入するため、水蒸気の生成方法や導入方法の検討を行い、ガラス基板上で凝縮が生じ、液滴が成長する様子が可視化できた。現在、ナノ構造体のサイズや飽和蒸気圧などによる凝縮した液滴の成長速度への影響を調べている。
なお、ナノ加工装置を用いて複数の大きさのナノ構造体をマイクロ流路内に作成しているが、平成24年9月に実施した新規のクリーンルームへのナノ加工装置の移設に伴い、振動および磁場のため十分な加工精度が得られなくなり、ナノ構造体の作成が困難となったため、予定を変更して可視化計測方法の検討を重点的に行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ナノ加工装置を用いて複数の大きさのナノ構造体をマイクロ流路内に作成する必要があるが、平成24年9月に実施した新規のクリーンルームへのナノ加工装置の移設に伴い、振動および磁場のため十分な加工精度が得られなくなり、ナノ構造体の作成が困難となったため。
防振・磁場対策などのナノ加工装置の環境改善を平成25年8月頃に予定しているため、計画を変更し8月以降に再度、加工および実験を行う予定である。

今後の研究の推進方策

平成24年度に得られた成果をもとにして、作成するナノ構造体のサイズ、飽和蒸気圧などによる毛管凝縮のダイナミクスを詳細に調べる。調べた結果を、従来の理論であるケルビンの式との比較を行う。また、凝縮水の量および熱伝対により計測したガラス表面温度から、凝縮により放出される熱量を求め、ナノ構造体による毛管凝縮熱伝達を明らかにする。
本研究で得られた実験結果のデータベース化を行いナノ空間における熱流動の特性をまとめて公開を行っていく。本研究で開発した計測法やソフトウェアを公開する。

次年度の研究費の使用計画

ナノ構造体を作成するために、4大学ナノ・マイクロファブリケーションコンソーシアムにて所有しているスパッタリング装置、電子線描画装置、ドライエッチング装置および環境制御型SEMなどのナノ・マイクロ加工装置の利用料およびガラス基板などの消耗品を研究経費として計上している。
本研究で得られた成果を、積極的に発信するため、国内・国際会議などでの発表の旅費などを国内・海外旅費として計上している。

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公開日: 2014-07-24  

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