壁面の多孔率が小さい場合には,運動量と熱の乱流輸送の程度を示す摩擦係数とスタントン数に通常壁面との顕著な違いが見られず,非相似性も認められない.しかし,多孔率が大きくなると,非貫通壁に比べ,著しい輸送現象の促進がなされることが明らかになった.さらに,スタントン数の増加の方が摩擦係数のそれより優勢であることが確認され,摩擦を抑制しつつ熱流束を大きくする,いわゆる非相似的な伝熱促進が多孔質壁面の導入により実現されることが明らかとなった.また,このような運動量と熱の輸送の非相似性が,多孔質壁面の導入により出現する,スパン方向に回転軸をもつ大規模渦構造によってもたらされることが明らかとなった.
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