研究課題/領域番号 |
23656142
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
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研究分担者 |
小宮 敦樹 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (60371142)
守谷 修一 東北大学, 流体科学研究所, 技術職員 (30400419)
岡島 淳之介 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (70610161)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 対流 / 干渉計 / 温度境界層 |
研究概要 |
本研究では、特殊な位相シフト・ケスタープリズムと大型コモンパス・マッハツェンダー干渉計を開発し、これまで不可能であった音の密度差を関知できる超高感度位相差干渉計と高速度カメラで位相シフト画像を動的に測定することが出来る全く新しい熱流動場計測システムを構築することを目的としており、当該年度は位相シフト・ケスタープリズムの開発ならびに、大型光干渉計システム,取得画像をデジタル処理する専用画像処理装置の開発を行った。大型光干渉計システムを三次元の光学パスにより構築した。そして、位相シフトケスタープリズムの問題点を抽出し、改善を行うことで位相シフト画像の取得に成功した。この結果は高速度現象の位相シフト画像の取得へ向けて重要な第一歩である。また、本干渉計を用いて垂直加熱平板および光軸方向に湾曲した垂直加熱板まわりの自然対流を計測した。垂直加熱平板では数値シミュレーションと比較を行い、本干渉計システムが光路長差を正確に計測できること、また温度分布の三次元性の重要性を示した。光軸方向に湾曲した垂直加熱板では軸対称系の積分変換であるアーベル変換を位相シフト画像に対して適用し、温度分布のトモグラフィー解析の可能性を見出した。さらに、本干渉計を閉空間キャビティ内の自然対流現象の計測へも展開し、定常状態における温度分布の計測を行った。得られた結果と数値解析を比較し、本干渉計システムの更なる妥当性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
光干渉計システムの構築は研究計画書に記載した通りに進んでいる。当初計画では本光干渉計を用いて垂直加熱平板まわり自然対流の計測のみを行う予定であったが、閉キャビティ内の自然対流や、光軸方向に湾曲した垂直加熱板まわりの自然対流の計測を行い、トモグラフィーへの展開の可能性を示した点は当初の計画にはなかった点であり、予想以上の進展があったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画にあるように、位相シフトコモンパス干渉計を風洞へ設置する。風洞への適用に際しては、振動が懸念されるため、振動が位相シフト画像へ与える影響を評価し対策を取る。その後は様々な現象の計測を行っていく。まずは温度境界層の乱流遷移を計測し、外部スピーカーによる擾乱を与えることで乱流遷移と音場の動的関係について実験的に明らかにする。鈍頭物体を風洞中においた場合の境界層剥離と騒音の可視化を高速度カメラで行い、音波動の伝播と剥離層の変形を測定することによって。境界層剥離が騒音発生に及ぼす動的影響について明らかにしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度は当初予定していた2つのケスタープリズムのうちの1つの購入を次年度に行う判断をした。理由は位相シフトコモンパス干渉計の視野の調節を行う上で、より小型のケスタープリズムの開発が必要であったためである。その仕様については現在設計中である。
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