研究課題/領域番号 |
23656168
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
玄 相昊 立命館大学, 理工学部, 准教授 (30344691)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 流体機械 / 省エネ / 制御 |
研究概要 |
理論実証ハードウェアの実現方法に問題があり、アドバイザーと相談したうえで回路の大幅な変更を行った。これに伴い、研究の進め方を変更し、本年度は2013年度と2014年度に予定していたハードウェアの試作をメインで行い、理論構築については次年度に延期した。具体的には、油圧回路はバルブマトリクス方式から高速ポンプを分散配置する方式に変更した。当初計画ではバルブでネットワーク結合係数を変化させることで、ハミルトン系への変換に必要な制御入力を発生させる予定であったが、回路の変更に伴い、ポンプを駆動するモータの回転を変化する方式となった。この動作を確認するために、油圧シリンダと高速ポンプを用いた簡易実験装置を作製した。ハミルトン系への変換則を施すことで、シリンダのストローク範囲を満たす周期的な往復運動の生成を確認した。シリンダを外部から強制的に停止するとそのエネルギーがシミュレータに内蔵された仮想的なシリンダを駆動するフライホイール運動を確認した。これで基本的な原理確認ができたので、次年度から安心して理論構築に着手できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論検証ハードウェアの実現方法に問題があり、アドバイザーと相談したうえで、大幅に回路を変更した。その動作確認に時間をとられたため、理論構築を次年度に延期することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度ほとんど着手できなかった次の3つの理論構築を行う:1)系本来のハミルトニアンを記述する代数方程式から開始し、正準変換の理論を用いて周期運動の記述に適した作用・角座標系を導入する。そして、到達・通過すべき目標点を交点として含み、可動域を満たすような第一積分を構成する。2) 元の系を1)で構成したハミルトン系に変換するための制御入力を導出する。これは単なる代数操作であるが、複雑な系においてはその代数操作に困難を生じる場合が多い。その場合は、第一積分を保守的に再設計し、詳細部分は数値計算で解決する。3)周期軌道が乱されたときに、移った先の軌道も目標点を通過することを保証するための制御入力の設計方法を検討する。とくに、近可積分系の理論に基づいて、周期軌道が通過すべき運動目標の安定性を詳細に解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
理論を実装する分散駆動回路の構成に必要なバルブとモータの購入費と学会発表のための出張費用、実験補助のアルバイト代に割り当てる。
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