研究課題/領域番号 |
23656173
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
多田隈 理一郎 山形大学, 理工学研究科, 助教 (50520813)
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研究分担者 |
多田隈 建二郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30508833)
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キーワード | 知能ロボティックス / 知能機械 / 機械要素 |
研究概要 |
本年度は,前年度に引き続き,作業移動ロボットのHot-Ice(ホット-アイス)現象を用いた形状・剛性の高精度制御のための理論構築,及び実験のための装置の構築・運用を行った. 特に,本研究においては,MR Hot-Iceを「酢酸ナトリウム無水結晶」,「精製水」,「MR流体」,「キサンタンガム」という4種類の物質を混合して作成する方式を取っているが,本年度は,これら4種類の成分がそれぞれゲルの物質特性に与える影響の定量評価を進めることができた. さらに,MR Hot-Iceを利用した作業移動ロボットを制御するための,環境側における磁石等を用いた装置についても,その装置を共通に使用する全方向駆動歯車機構による全方向搬送装置の研究と合わせて開発を進めた. 以上のように,汎用的なMR Hot-Iceの成分及び配合法と,環境側の装置の最適化について解析を進めることが出来たため,それらの結果を査読付きの国際学会にフルペーパーの英語論文として投稿し,採択された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
剛性を可変にし,作業も可能な移動体として,磁性スライムと過冷却現象としてのHot-Ice(ホット‐アイス)現象により,超形状・剛性可変性を実現する作業移動機構について解析を進めると共に,その機構を任意の方向に動かし,かつ剛性を制御するために不可欠となる,磁石を使用した外部環境側の機器について解析・製作を進めることができた. さらに,このような環境側の装置に依存せず,独立した装置として,剛性が可変で,作業も可能な移動体を,磁性スライム以外のゲルを用いて作成する方法についても,様々な試行錯誤の末に目途が立ちつつある.この装置を用いれば,大掛かりな外部環境側の機器による作用無しでも,様々な環境において作業・移動を行うことができる超形状・剛性可変性を実現する作業移動ロボットが実現可能となる. 以上のように,研究開始時点には予測できなかったスピンオフ的で有望な研究成果も出始めていることから,本研究の目的の達成度は,おおむね順調に進展しているものと評価できる.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,磁性スライムによる作業移動ロボットの剛性可変実験を行う.さらに,磁性スライムによる作業移動ロボットにはどうしても必要となってしまう環境側の磁力装置を小型化し,作業移動ロボットの内部に搭載して持ち運べるようにすることを考えている. あるいはそのような環境側の装置を必要としない超柔軟形状・剛性可変移動体を,現在その特性を解析中のゲルを用いて開発していく.
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次年度の研究費の使用計画 |
現在,最終的な成果機として,超柔軟形状・剛性可変のロボットハンド機構の開発を行っており,このロボットハンドを,対災害ロボットのアーム先端に取り付けることで,任意形状の物体をしっかりと把持し,様々な作業を行うことが可能となる. また,移動用のクローラの代わりにこの超柔軟形状・剛性可変移動体を用いることで,瓦礫の散乱した災害現場の復旧作業にも支障をきたすことなく移動できるロボットが構成可能となり,原発事故の復旧作業等に応用できる多機能作業移動ロボットが製作できる. このようなロボットハンドやクローラを,環境側の磁力装置を必要とする磁性スライムだけでなく,単体で超柔軟形状・剛性可変の機能を発揮しうるゲルを用いて構成するための,試作を含む研究開発を可能とするために,「次年度に使用する予定の研究費」が必要であった. 本年度は,このような作業移動ロボットの様々な応用実験を行い,その研究成果を,国際学会や論文誌等で発表する. 以上のような研究開発や学会発表に,「次年度の研究費」を使用する予定である.
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