研究課題
剛性を可変にし、作業も可能な移動体として合成した磁性スライムに過冷却現象としてのHot-Ice(ホット-アイス)現象を起こさせることで、形状・剛性可変性を持つ作業移動機構を、研究期間全体を通じて研究開発し、そのようなHot-Ice現象により発現する作業移動機構の機能の定量評価を行った。最終年度は、オーストラリアで開催された国際学会IEEE AIM2013で研究成果を発表し、このときの来場者との議論で得られた様々なフィードバックを元に、磁性スライムの移動・変形動作実験のために広い磁場を2次元平面上に能動的に構成できる歯車機構を製作した。また、磁性スライムの液体・固体の相変化による剛性可変実験も行った。このように、最終年度においては、ロボット本体を構成する磁性スライムの特性実験と改良のみならず、そのようなロボットが作業・移動を行うための磁場を能動的に構築して制御するための周辺装置についても、開発を行った。さらに、磁性スライムのように広い磁場と、それを構成するための永久磁石や電磁石のマトリクス構造を必要としない、特殊なゲル素材を用いた、熱感応型の形状・剛性可変性を持つ作業移動機構についても、山形大学内の他の研究グループの協力を得て、並行して研究を行った。このゲル素材にフィルム状のヒータを取り付けた構造については、磁性スライムにHot-Ice現象を起こさせる場合よりも形状の可変性において優位性があることが定量的に確認できたために、双腕人型ロボットのマニピュレータ先端のロボットハンドとして応用し、様々な形状の物体を操作する、各種の作業実験を行った。
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日本ロボット学会誌
巻: Vol.32 No.4 ページ: pp.354-357