研究課題/領域番号 |
23656177
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 隆文 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (50302659)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / 神経電極 / 神経工学 |
研究概要 |
■研究の目的:本研究は,柔軟な神経電極を神経組織への刺入時にのみ「固く」して,刺入後速やかに柔軟化させることにより,長期間安定した神経インタフェースの実現を目指す.一方で神経信号の安定計測のためには電極と組織液(電解液)との界面を安定に保つことが必要であり,その解決も図ることにより,長期・短期の両面での安定計測を目指す.刺入性能の向上のために,高分子フィルムを基板とした柔軟な電極を,スクロース等のコーティング等によって機械的強度を向上させることや,特殊な構造による電極界面保護機能により計測信号の安定性を向上させることを目指す.■研究実績A) 柔軟な基板を有する神経電極の準備: すでに試作済みのパリレンCを基板材料とした柔軟神経電極について,刺入評価実験用の製作を行った.刺入型電極と,脳表面用電極の2種類を検討した.B) 柔軟な電極の刺入・装着方法の開発: 柔軟な電極は,そのままでは神経組織内に刺入することが困難であるため,以下のアプローチにより刺入・装着方法を開発した.刺入装着前はある程度の固さを有し,刺入後に神経束内で柔軟化する神経電極支持方法を検討した.柔軟化の方法としては, (i)神経束内水分による膨潤化, (ii)生分解性材料の利用, (iii)温度変化による固さの変化などを, そして支持方法としては, コーティングなどの方法を検討した.ラットの脳および末梢神経を対象とした評価実験を開始した.C)電極界面安定化機能評価のため,各種の構造における安定性の評価を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画は慎重を期するために,やや控えめのものとしていたが,実際に実施してみるとやはり電極構造やコーティング構造の再現性の確保などに課題があり,結果として概ね計画通りの進捗となった.
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今後の研究の推進方策 |
当初計画からの大きな変更は特に無く,ほぼ当初計画通りに推進する方策です.各費目で少額ずつ未使用額が生じたために,約17万円弱の次年度使用額が生じました.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画からの大きな変更は特に無く,ほぼ当初計画どりに執行する予定ですが,次年度使用額については,再現性確保のために作成電極数を増やすことに使用する予定です.
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