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2013 年度 実施状況報告書

非侵襲脳動脈瘤治療への道を開く外部磁場駆動型医療マイクロ構造体の実現

研究課題

研究課題/領域番号 23656178
研究機関東京大学

研究代表者

光石 衛  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90183110)

研究分担者 杉田 直彦  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372406)
原田 香奈子  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80409672)
森田 明夫  日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60302725)
キーワードマイクロロボット / 脳動脈瘤治療 / 外部磁場駆動 / 非侵襲 / 血管内
研究概要

平成24 年度に提案した手法に関して,制御実験を行う実験系に必要な仕様を検討した.脳動脈の内径,血流の流速,脳動脈瘤の大きさ,血液の物性(粘度,密度),また提案手法の機械的制約条件から,マイクロロボットを直径200μmの球形の形状とし,外部から磁場勾配を与えて磁力を発生させ,マイクロロボットを直接牽引するという方法を選択した.
この際,マイクロロボットにかかる力として,磁力だけでなく流体の抗力,揚力を考慮に入れなければならない.そこで,計算モデルを作成してマイクロロボットに作用する磁力,抗力,揚力を比較した.マイクロロボットの駆動に必要な磁場勾配の大きさとして1.5 T/mという値を算出した.この計算に基づき,2軸方向に独立して磁場勾配を発生させる電磁石を設計し,その電流を操作することでマイクロロボットを行う.現在は実験系の設計を主として行っており,設計が完成次第,今後はその制御則の考案を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は,当初予定していた通り,制御実験を行う実験系に必要な仕様を検討した.マイクロロボットの駆動に必要な磁場勾配の大きさとして1.5 T/mという値を算出した.この計算に基づき,2軸方向に独立して磁場勾配を発生させる電磁石を設計た.
以上のように,申請書に記入した「研究の目的」を予定通りに達成することができた.

今後の研究の推進方策

マイクロロボットの血流中での制御における問題を解決する.ワイヤレスでの制御そのものの困難さ,拍動により流れが乱れること,外部磁場の分布が非線形であること,また磁力に対して抗力のオーダーが大きくなってしまう状況が発生する,といった問題がある.特に,磁力と流体力の比較は重要な問題である.磁力はマイクロロボットの体積に比例するが,流体力はマイクロロボットの表面積に比例するため,マイクロロボットのサイズが小さくなると磁力よりも流体力の方がより大きな影響を与える.
上記の問題点は,マイクロロボットが順流方向,逆流方向の各方向それぞれで駆動する際に解決方法が異なると考えられる.順流方向にマイクロロボットを駆動する場合は,マイクロロボットに与えられる抗力により磁場を与えずとも進行するため,分岐の選択の際に外部磁場を与えることでマイクロロボットの制御が可能であると考えることができる.
また,逆流方向に駆動する場合は,マイクロロボットを壁面近くまで誘導する解決策が考えられる.マイクロロボットを血管壁に近づけることで,抗力の大きさを小さくすることが可能となり,よりマイクロロボットの制御が容易になる.また,血管壁面に沿って動くことで磁場の制御をより簡易にするメリットも考えることが可能である.

次年度の研究費の使用計画

マイクロロボットの駆動に必要な磁場勾配の大きさとして1.5 T/mという値を算出し,2軸方向に独立して磁場勾配を発生させる電磁石を設計している.現在は実験系の設計を主として行っており,設計が完成次第,実験系の構築を行う.
上記の実験系を構築するための製作費として用いる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 血管内医用マイクロロボットの分岐制御に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      柳澤 晶, 原田 香奈子, 杉田 直彦, 光石 衛
    • 学会等名
      第5回マイクロ・ナノ工学シンポジウム
    • 発表場所
      仙台,仙台国際センター
    • 年月日
      20131105-20131107

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公開日: 2015-05-28  

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