積層型ポリ塩化ビニル(PVC)ゲルを用いて従来の歩行アシスト装置に比べ飛躍的に軽量化した歩行アシスト装置を開発する基礎技術を確立することを目的として研究を行ってきた.平成24年度までの研究により,片脚の可変剛性高分子ゲルスパッツを開発し,歩行運動におけるアシスト効果を確認することができた.平成25年度は,24年度に開発した可変剛性ゲルスパッツを制御するための,システム構築を行った.具体的には次の通りである. LabViewを用いてリアルタイム制御を行うために,まず多層PVCゲルアクチュエータのセンサフィードバック制御のシステムを構成した.タッチセンサの情報に基づいてPVCゲルアクチュエータを制御できることを確認した.その上で,歩行アシスト制御のための足圧センサを靴のインソールに取り付け,立脚期と遊脚期のタイミングを検出できるようにした.また,両脚用の可変剛性スパッツを作製するために,可変剛性PVCゲルの設計を行った.特にPVCゲルデバイスに引っ張り力が発生しても,積層ゲルが剥離しないような構造を考案した.これにより,安定して張力を発生できる可変剛性スパッツを実現する見通しが得られた.
|