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2011 年度 実施状況報告書

電気化学反応による表面機能制御を用いたマイクロ流体チップ制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 23656184
研究機関名古屋大学

研究代表者

丸山 央峰  名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60377843)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード電気化学反応 / 親水性 / 疎水性 / マイクロ流体チップ / 流体制御
研究概要

今年度は,マイクロ流体チップ中において,流路中の壁面の親水性・疎水性を可逆的に制御するための,流路壁面への電気化学的に親水性・疎水性を制御可能な高分子の修飾方法及び修飾した高分子への電流入力による分子構造変化による流路中の流体抵抗変化について検討と行った.従来のマイクロ流体チップ内での流体制御は,チップ外に設置したバルブやポンプ,もしくは微細加工技術を用いてチップ中に集積化したマイクロバルブ等を用いて行われてきた.しかしながらこれらのマイクロ流体制御素子は素子自体が駆動するものが多く,流体の応答性が遅い,駆動時に流体に乱れが生じる等の課題があった.本研究課題で提案している手法は,非可動の電気化学バルブ・ポンプ機構であり,流体と直接接する部位の性質を制御するのものであり,ダイレクトに流体を制御可能である.特にこの手法はサイズが微小化するほど効果的に働く.従来のポンプやバルブでは圧力損失のため制御が困難であった数μm以下の微小流路内流体制御を実現するための大きなブレークスル―となることが考えられる.現状では,電気化学的な酸化・還元反応を用いてガラス基板上に積層した透明電極上で修飾した高分子を変化させ,局所的に流体抵抗を変化させることには成功した.今後はその応答速度や最大反応回数,適用可能な流路サイズ等に関して定量評価を行っていく.また,親水性・疎水性を可逆的に制御することで細胞の接着及び成長パターンの制御についても検討を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

H23年度では,ガラス基板上に積層した透明電極上で修飾した高分子を電気化学的な酸化・還元反応を用いて変化させ,局所的に流体抵抗を変化させることには成功した.しかしながた現状では現象の確認ができただけであり,H23の計画であった応答速度や最大反応回数,適用可能な流路サイズ等に関する定量評価までには至っていない.これは,修飾した高分子に過剰な電流が流れると高分子の破壊・変性が生じてしまうため,再現性が低くなることが原因だと考えられる.

今後の研究の推進方策

H24年度では,ガラス基板上に積層した透明電極上で修飾した高分子の電気化学的変化の再現性を向上させるための,応答速度や最大反応回数,適用可能な流路サイズ等に関する定量評価を行うともに,分子構造変化以外で電気的に同様の効果が得られる手法についても検討を行う.また,親水性・疎水性を可逆的に制御することを細胞の固定及び接着・成長パターンの制御について適用を行うための検討を行う.

次年度の研究費の使用計画

H24年度の研究費については主に物品費として電気化学反応に用いる高分子の購入費に用いる.また得られた成果の学会発表を行うための旅費及び学会参加費,論文出版のための英文校閲及び投稿料に使用する.50万を超える物品の購入の予定はない.

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公開日: 2013-07-10  

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