研究概要 |
電気化学反応を利用してマイクロ流体チップ内壁の親水性・疎水性等を可逆的に制御し流体制御・物体操作・固定を目的として,(1)有機電気化学反応を利用した外部ポンプ・バルブを有さないマイクロ流体制御システムの構築,(2)細胞操作及び固定機能を集積した有機電気化学細胞操作システムの構築,の項目について研究を行った.平成24年度は, マイクロ流体制御システムの構築有機電気化学細胞操作システムの構築に関する研究を行った. マイクロ流体制御機構の構築に関しては,マイクロ流路の上面を疎水化処理しておき,下面のパターン化した電極上に電気的に酸化・還元する高分子を修飾し,電極上を疎水化することでマイクロ流路中の流体抵抗を上げて流路中を流れる微粒子の速度を変化させることに成功し,流体制御用素子としての機能を確認した.流体制御の応答速度や最大反応回数,適用可能な流路サイズ等に関しは今後も定量評価を行っていく必要がある. 胞操作及び固定機能を集積した有機電気化学細胞操作システムの構築に関しては,細胞は疎水性表面に付着し親水性表面に付着しない性質があるので電極パターンを微細加工により構築することで任意の細胞固定パターンを構築することも目的とした.ポチスチレン性の微粒子を用いた実験では,疎水化した部分への粒子の固定と親水化後に微粒子の基板からの剥離には成功したが,細部の高分子を修飾した基盤への固定に関し再現性が得られなかった.
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