研究課題
CO2排出量を削減し,地球温暖化を防止するためには,再生可能エネルギーのひとつである太陽エネルギーの積極的な利用が必要である。本研究では,カーボンナノチューブを電子エミッタとして用いた真空式太陽エネルギー変換デバイスの実現可能性を萌芽研究として探ることとした。この変換デバイスは,太陽熱と太陽光とを併用した変換駆動方式を狙うものである。本研究期間においては,新規デバイス構造および機能発現の可能性探求を主目的としている。本研究の特色は,電子放出特性に優れたナノカーボンを用いること,新規熱光併用発電デバイスの可能性に挑戦することなどである。新規考案の長寿命電子放出素子は,多孔エミッタと多孔グリッドを有し,電子はその多孔をすり抜けてコレクタ(アノード)へ到達する構造を有する。そのため,スルーホール型電子放出デバイスと呼ぶ。初年度は,間接加熱機構を有した単孔スルーホール型電子放出デバイスと直接加熱機構を有したデバイスの2種類を設計・作製し,加熱した際に電子放出特性が変化するかどうかを確かめた。一つはバーナーで加熱するタイプで,一つはエミッタに電熱ヒータを接触させたものである。次年度は,同デバイスに対し,加熱方法などを変更して電子放出効率の改善のためデバイス構造の一部変更を図ったが,残念ながら特性の改善にはつながらなかった。一方,次年度以降,カーボンナノチューブの代わりにカーボンナノコイルを利用することも念頭に入れ,CVD法におけるカーボンナノコイル合成の最適条件探索を進めた。最終年度では,Siの多孔質化に関する技術について検討した。その結果,リソグラフィ技術による加工よりも,マイクロブラスト技術を利用することで,比較的容易にSiウェハへの多孔処理ができることがわかった。
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