研究概要 |
人間型ロボットのような多関節を有するロボットの駆動系として,1つのアクチュエータで関節部の三自由度の動きを実現できる球面アクチュエータへの期待が高い。本研究では,今まで開発してきた構造・制御がシンプルでトルク/体格比の大きい球面アクチュエータの駆動原理を元に,現状の課題である広角駆動を解消できる,世界に類を見ない三自由度アクチュエータの理論的考察と基本性能を確認するとともに,試作機の作製と評価を行う。また,本アクチュエータの位置センシング法及びフィードバック制御法を確立する。更に,ロボットへの実装・実験によりその有効性を確認する。平成25度では,平成24年に最適化設計により特性改善を行ってきた提案モデルである“アウターロータ型三自由度アクチュエータ”をもとに可動部の支持方法を検討して、クランプネジとアウターロータの樹脂球殻による転がり支持法を開発した。また,カラーセンサを用いた位置センシングシステムについて現在位置の高速探索アルゴリズムの検討を行い,探索スピードを大幅(10分の1以上)に改善した。更に,効率良く複数の励磁コイルを制御するフィードバック制御方法について検討し,理論上消費電力を大幅に激減できることを確認した。また,試作による実機検証のため,多チャンネルDSPシステムの開発を行い,提案した制御アルゴリズムと他研究機関との比較を行い,提案手法の有効性を示した。更に, ロボット手首への実装設計を完了しロボット駆動系としての有効性について確認した。
|