研究課題/領域番号 |
23656202
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
内田 諭 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (90305417)
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研究分担者 |
和田 圭二 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (00326018)
鈴木 敬久 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (30336515)
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キーワード | ナノパルス / 酵母 / マイクロリアクタ / 細胞数値モデル / 遺伝子発現 |
研究概要 |
本研究の目的は、マイクロリアクタ内に精密配置した酵母細胞にナノパルス電界を印加して、その動態変化を計測するとともに、細胞モデル解析及び増幅遺伝子評価から局所瞬時電界と遺伝子発現の相関を検証するものである。 要素技術の確立から、動態変動の制御に至る研究を、【課題1 パルス電源製作】(ナノパルス電源装置の設計・製作)、【課題2 印加試験・動態計測】(酵母細胞に対するパルス電界印加試験及び細胞動態変化の染色計数計測)及び【課題3 モデル解析・発現評価】(細胞数値モデルの構築、電界照射量の数値解析及び遺伝子発現のPCR評価)における諸項目の達成と連携によって推進した。 本年度(平成24年度)は、昨年度に得られた基本的知見と試作したナノパルス印加装置を用いて、パルス印加による細胞動態変化の実証試験と特性評価を遂行するため、(1)リアクタ端子間と結合した一体型電源への改造、(2)標準粒子に対する泳動配列及びパルス印加試験と装置の性能評価、(3)パルス印加条件に対する染色酵母細胞の動態観察、(4)遺伝子解析と数値解析の比較による局所瞬時電界と遺伝子発現の相関検証、を行った。 (1)に関しては、ブスバー構造を有するリアクタを用いて負荷変動を低減し、パルス印加試験の再現性を向上させた。(2)に関しては、(1)で試作した電源系において、ポリスチレン蛍光粒子やコロイド状金属ナノ粒子などを用い,誘電泳動のよる分散配列条件を精査した。また、パルス幅の可変限界を特定した。(3)に関しては、ストレス変化による膜損傷状態及び呼吸活性を核酸染色応答によって分類した。(4)に関しては、細胞数値モデルを用いて、膜変性による電気特性の変動を定量化し、PCR法による主要因遺伝子を検証した。 以上、2年間の研究活動を通して、本研究費を効果的に活用し、当初設定した研究計画をほぼ遂行することができたと言える。
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