研究課題/領域番号 |
23656226
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松浦 祐司 東北大学, 大学院医工学研究科, 教授 (10241530)
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研究分担者 |
片桐 崇史 東北大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90415125)
木野 彩子 東北大学, 大学院医工学研究科, 教育研究支援者 (30536082)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 光ファイバ / 内視鏡 / 形状センサ / 曲り導波路 / マルチコアファイバ |
研究概要 |
本研究は,カテーテルや内視鏡を人体内に挿入する際に,挿入方向や留置位置を正確に検出するための形状センサを複数のコアを有するマルチコア光ファイバを用いて実現可能かどうかの検証を行うことを目的とする.このセンサは,コア間の光結合がファイバ曲がりの方向に依存することを利用したものであり,ファイバ断面内の光パワーの移動量を検出することによりファイバの曲がり方向およびその曲げ半径を検出することが可能である.今年度においては,主にマルチコアファイバの最適設計について次のような検討を行った. 本研究で取り扱うファイバセンサの最小単位である3本のファイバを平面上に並べた構造について,次のパラメータについて最適設計を行った.1)コア径,2)コア間隔,3)コア・クラッド屈折率差,4)センサ部長さ.設計はビーム伝搬法(BPM)にもとづくシミュレーション計算により行った.計算においては,石英ガラスを材料とするシングルモードファイバを想定し,その屈折率などのパラメータを使用した.その結果,屈折率もしくはコア幅に非対称性を持たせることにより,特定の向きの曲りを検出できることがわかり,構造を微調整することにより,特定の曲り半径に対して高い感度での検出が可能であることがわかった. また,市販のマルチコアプラスチックファイバを入手し,その光結合状態の変化について観察を行ったが,通常の曲り条件では結合が十分に生じないことがわかり,今後は独自にファイバを製作する必要があることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マルチコアファイバの最適設計について,センサとして十分に利用可能な条件を導くことができた.ファイバの製造については未着手だが,今後早急に実施可能である.
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今後の研究の推進方策 |
マルチコアファイバ構造の設計については,さらに具体的な曲り状態を想定し,より現実的な設計を行う.また,マイクロベンドなどの局所的な曲りを検出するセンサについても新たに設計に着手する.これは局所的な圧力を高感度の検出することを目的とする.ファイバの製造については,まずは製作の容易なプラスチックファイバを用いたものから着手する.その後,石英ガラスファイバの加工に移行するために,電気炉の整備などを併せて行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費の主な用途としては,センサの素子となる光ファイバやプラスチックおよびガラスファイバを加工するための電気炉整備費に充てられる.また設計に利用するソフトウェアの更新費用なども支出する予定である.その他には成果発表や調査のための旅費や,実験補助の人件費などの支出を計画している.
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