研究概要 |
平成23年度の研究成果をもとに、以下の研究を行った。 (1) 多色表示の実現:RGBレーザを光源として導入し、時分割方式でカラー表示を実現した。スペックルのないホログラム表示においては、高フレームレート空間光変調器としてDigital Micromirror Device(DMD)を用いるが、これは各画素が傾いたマイクロミラーで構成されるため、DMDの表示面はBlazed回折格子と同様な構造をもつ。そのため、光の波長により回折の仕方が異なる。このことを利用して、DMDへの照明角をRGBのレーザで適切に選び回折方向を一致させることで、RGB光の合波を実現した。 (2) 表示性能向上:フレームレート22,727 kHzのDMDを導入し、立体像を構成する物体点の点数(解像度)を256×192に向上させた。本研究では、ゾーンプレートの2次元変調により立体像のシェーディングを実現する。昨年度はゾーンプレートの2次元変調方法としてPhongシェーディングに基づく方法を実現したが、本年度はより高度なシェーディングを可能にするBRDF法に基づく方法を提案した。これにより、よりリアルな質感際限が可能になった。 (3) 立体カメラ:昨年度は立体カメラを3軸ステージとカメラを組み合わせることで実現したが、本年度はLight field cameraを用いることを試みた。Light fieldカメラとしては、一眼レフデジタルカメラの撮像素子にレンズアレイを取り付けたもを用いた。撮影画像をもとに、ゾーンプレートの2次元変調を行うことで、リアルなホログラム表示を実現した。
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