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2011 年度 実施状況報告書

マルチメディア多次元QoE制御アーキテクチャの研究

研究課題

研究課題/領域番号 23656253
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

田坂 修二  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80110261)

研究分担者 布目 敏郎  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10345944)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードマルチメディア / QoE / ユーザ体感品質 / QoS / インターネット高度化 / 情報通信工学
研究概要

本年度は,QoEの多次元定量化,QoEベースビデオ出力方式SCSの高効率化,及び次年度の研究目標であるQoE保証の一方法としてのユーザ援用QoE管理方式の提案とその有効性検証を行った.(1)QoEの多次元定量化:まず,ビデオ・音声・力覚メディアを用いた三感インタラクティブIP通信を対象とし,QoEのリアルタイム推定を行った.アプリケーションレベルQoSパラメータの測定結果と主観評価実験によるQoE多次元評価結果を用いて,ビデオ空間品質,力覚メディア操作感及び総合品質の推定式を導出した.それらの推定式を用いて,QoEを多次元的に監視できるシステムを構築した.また,QoE監視によるQoS制御方式も提案した.更に,作業内容の違いがQoEに及ぼす影響も調査した.(2)QoEベースビデオ出力方式SCSの高効率化:SCSの有効な閾値選択方式としてユーザ選択方式を取り上げ,その閾値選択GUI(Graphical User Interface)とユーザ属性との関係をQoEの観点から,主観評価実験により調査した.また,SCSを音声・ビデオインタラクティブ通信にも適用し,QoEの多次元評価により,その有効性を立証した.更に,リモコン型閾値選択GUIも開発し,そのQoEを多次元的に評価した. (3) ユーザ援用QoE管理方式の提案とその有効性検証: QoE保証の現実的な実現方法として,ユーザ援用QoE管理方式を提案した.これは,QoEに大きな影響を及ぼす要因(例えば,プレイアウトバッファリング時間)をユーザが制御できるようなGUIを用いるものである.この方式の一例として,インタラクティブ音声・ビデオ通信のプレイアウトバッファリング時間制御を取り上げ,QoEの向上が実現できることを実験的に示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した"QoEの多次元定量化"と"ユーザ援用QoE管理方式の提案とその有効性検証"とは当初目標を達成している.更に,"QoEベースビデオ出力方式SCSの高効率化"の研究成果も得られており,この点では当初計画以上に進展している.一方,"帯域保証ネットワークを用いた三感インタラクティブ通信システムの構築"については,システム構築は完了し,QoE多次元評価の予備的な実験は実施したが,まだ研究発表を行っていない.

今後の研究の推進方策

"帯域保証ネットワークを用いた三感インタラクティブ通信"の研究を進展させる.特に,SIPサーバ・QoSマネージャの設定や,QoE-QoSマッピング関係式簡易データベースの構築と有効性の検証を行う.また,本年度に実装した音声・ビデオインタラクティブ通信用のユーザ援用QoE管理方式を,音声・ビデオ・触覚メディアインタラクティブ通信に拡張し,その有効性を定量的に検証する. 以上の結果をまとめて,マルチメディア多次元QoE制御アーキテクチャの構築指針を示す.

次年度の研究費の使用計画

上記「現在までの達成度」で記したように,平成23年度は,当初計画にはなかった"QoEベースビデオ出力方式SCSの高効率化"の研究を実施した.しかし,当初計画に記載の"帯域保証ネットワークを用いた三感インタラクティブ通信システムの構築"については,QoE多次元評価の予備的な実験を行ったのみであった.そのため,QoE評価の本格的な大規模主観評価実験までは行うことができず,そのために予定していた主観評価実験被験者や実施者のための人件費・謝金を使用しなかった.また,このテーマについての学会発表も行わなかったため,旅費も一部しか使用しなかった.平成24年度は,平成23年未使用金を,このQoE大規模主観評価実験の実施のための人件費・謝金と,このテーマの研究成果発表のための旅費として使用する.平成24年度の研究費は,上記「今後の研究の推進方策」に記載の通り,次の4項目の研究に使用する計画である.(1)帯域保証ネットワークを用いた三感インタラクティブ通信のQoE大規模主観評価実験,(2)SIPサーバ・QoSマネージャの設定,(3)QoE-QoSマッピング関係式簡易データベースの構築と有効性の検証,(4)ユーザ援用QoE管理方式の音声・ビデオ・触覚メディアインタラクティブ通信への拡張

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] QoEベースビデオ出力方式SCSにおける音声・ビデオインタラクティブIP通信のQoE向上2012

    • 著者名/発表者名
      横井友洋
    • 雑誌名

      情報処理学会第74回全国大会講演論文集

      巻: CD-ROM ページ: 3-407,3-408

  • [雑誌論文] ビデオ・音声・力覚メディアインタラクティブIP通信において作業内容の違いがQoEに及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      磯村栄一
    • 雑誌名

      電子情報通信学会2012年総合大会講演論文集

      巻: CD-ROM ページ: B-11-21

  • [雑誌論文] QoEベースビデオ出力方式SCSのためのリモコン型閾値選択インタフェースのQoE評価2012

    • 著者名/発表者名
      豊崎聖
    • 雑誌名

      電子情報通信学会2012年総合大会講演論文集

      巻: CD-ROM ページ: B-!!-28

  • [雑誌論文] ビデオ・音声・力覚メディアインタラクティブIP通信におけるQoEリアルタイム推定と監視2011

    • 著者名/発表者名
      磯村栄一
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: Vol.111, No.202 ページ: 69,74

  • [雑誌論文] QoEベースビデオ出力方式SCSにおける閾値選択インタフェースQoEと被験者属性との関係2011

    • 著者名/発表者名
      横井友洋
    • 雑誌名

      電子情報通信学会2011年ソサイエティ大会講演論文集

      巻: CD-ROM ページ: B-11-9

  • [雑誌論文] ビデオ・音声・力覚メディアインタラクティブIP通信におけるQoE監視による2011

    • 著者名/発表者名
      磯村栄一
    • 雑誌名

      電子情報通信学会2011年ソサイエティ大会講演論文集

      巻: CD-ROM ページ: B-11-15

  • [学会発表] マルチメディアQoE研究の方向性2011

    • 著者名/発表者名
      田坂修二
    • 学会等名
      電子情報通信学会2011年ソサイエティ大会(招待講演)
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      2011年9月15日
  • [備考]

    • URL

      http://inl.web.nitech.ac.jp/

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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