研究概要 |
最終年度の研究成果 まず,平成23年度に研究が完了しなかった“帯域保証ネットワークを用いた三感インタラクティブ通信”の研究を進展させた.ビデオ・音声・力覚メディアの三感インタラクティブ通信において,3種のメディアのうち,占有帯域幅が最も大きいビデオに焦点を合わせ,ビデオの保証帯域幅と符号化ビットレート及びプレイアウトバッファリング時間がQoEに及ぼす影響を調べた.主観評価実験では,応答性の重要度が異なる2種類の作業を用いてQoEを評価し,ネットワークの帯域制御により高いQoEを達成できることを示した.更に,インタラクティブビデオ・音声通信の場合と三感メディア通信の場合における最適なパラメータ設定方法の違いを考察した.また,SIPサーバ・QoSマネージャの設定については,ビデオ・音声の二感通信の枠組みが使用できることを確認したが,力覚メディアの設定追加実験までは実施していない.QoE-QoSマッピング式(QoE推定式)については,推定式の導出に使用した被験者とは別の被験者による実験を実施して推定精度を検証した. ユーザ援用QoE管理方式については,SCSの閾値選択インタフェースに対する被験者の嗜好性の違いを評価した. 研究期間全体の研究成果 次の4種類に分類できる.(1)ビデオ・音声及びビデオ・音声・力覚メディアインタラクティブ通信のそれぞれのQoEの多次元定量化とQoE向上技術の開発,(2)ビデオ・音声・力覚メディアの三感インタラクティブ通信におけるQoE監視システムの構築と有効性検証,(3) QoEベースビデオ出力方式SCSの高効率化と特許取得(2011年3月に審査請求していた特許に対して,2012年7月に意見書及び手続補正書を提出したところ,同年10月に特許として登録された),(4)ユーザ援用QoE管理方式の提案とビデオ・音声インタラクティブ通信におけるその有効性検証.
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