研究課題
自己周波数シフトを用いた光量子化では,単位強度レベルに対する周波数シフト量は,信号自身の持つ周波数帯域以上のシフト量が必要となる.自己周波数シフトを用いた光量子化の6ビット化には,自己周波数シフト現象の安定した生成条件を確保することが必須となる.しかし,自己周波数シフト現象の安定化にも物理的な限界がある.このようなデバイスや現象依存の性能限界を打破するために,自己周波数シフト現象の安定化と併用可能なシステム構成方法の検討による解決を図った.初年度は,まず自己周波数シフト現象の安定化のみでどの程度のビット数が実現可能かについて,ある程度量の子化誤差を許容することを条件として検討を行った.その結果,自己周波数シフト現象の安定化のみで,当初の目標である光量子化の6ビット化に成功した.しかし,当初の光量子化の6ビット化の目標は達成できたが,計画で提案していたシステム構成方法の工夫による性能向上の目的をビット数の向上から更に拡張し,量子化誤差の低減へ適用可能かについての検討に着手した.量子化誤差は最終的に光A/D変換の実質的な性能に大きく影響するので,現在の6ビットの実験においても実質的な有効ビット数は5ビット程度に低下している.最終年度では,残された課題である量子化誤差の低減を目的として,同一光ファイバへの双方向入射によるシステム構成方法の検討による低減効果の更なる向上の検討に着手した.同一光ファイバへの双方向入射によるシステム構成方法を用いたときの量子化誤差の低減効果の有無を5ビット光量子化の場合において検討した結果,その有用性を確認した.以上の結果,当初の目標値である光量子化の6ビット化に成功し,更に量子化誤差の低減への展開にも成功した.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 2件)
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