研究課題/領域番号 |
23656263
|
研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
村本 健一郎 石川工業高等専門学校, その他部局等, その他 (70042835)
|
研究分担者 |
谷口 健司 金沢大学, 環境デザイン学系, 助教 (20422321)
笠原 禎也 金沢大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50243051)
久保 守 金沢大学, 電子情報学系, 助教 (90249772)
鎌田 直人 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (90303255)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 降雪観測 / 森林観測 / 宇宙の電波観測 / データベース / 地球環境データ / データ解析 |
研究概要 |
地球環境は短期的な変動を伴いながらゆるやかに変化し,また多様な因子が複雑に関係するので,観測データを長期にわたって記録し,その中から有用なデータを抽出することが不可欠である。現在,ほとんどの研究者は独自の方法で地球環境観測データの収集と解析を行っており,データ収集に関わった以外の者がデータを利用することは少ない。そのため,貴重なデータが十分に活用されないままになっているのが実状である。 研究代表者らは既に降雪観測と森林観測,衛星による宇宙の電波観測を行い,膨大なデータの蓄積と解析を行っている。 日本海側では集中豪雪が発生することがあり,その予測は重要である。短期降雪予測を目的として,様々な観測機器を導入して詳細な観測を行っている。冬季気象観測データはそれぞれ自動的に収集されるシステムを構築しているが,機器ごとに観測データの書式が異なっているので,データベースとして統一的に解析する場合の障害となる。 広域の森林活性度の観測は重要であり,衛星リモートセンシングの活用が有効であるが,衛星リモートセンシングを活用するためには,現地調査による地上データとの比較・検証が不可欠である。そのためには,現地調査データと衛星観測データを用い,データベースへ登録することが必要である。 本年度はサーバーを導入した。そして観測機器ごとに異なっているデータの書式を処理し,統一的な標準フォーマットに変換してデータベースに格納するシステムを構築した。これにより,観測に関与しないユーザーでも容易に利用できるデータベースシステムの構築が可能になった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
冬季気象観測では,既設の様々な観測機器(レーダ,シーロメータ,2次元粒子画像解析装置,降雪強度計,気象観測装置等)を用いて観測データを収集した。更に独自開発した降雪粒子映像解析装置を用いて,粒子の個数,大きさ,落下速度等のデータを収集し,降雪粒子を雪片とアラレに自動分類する手法を開発した。 森林観測では,現地調査データと衛星観測データを収集した。 衛星による宇宙の電波観測では,磁気圏観測衛星「あけぼの」により長期間かかって取得した地球磁気圏データ,および月周回衛星「かぐや」により取得したデータから科学成果を引き出すためのアルゴリズムを検討した。 これらの膨大かつ多様な地球環境データの収集・相互参照(水平統合)と長期的な蓄積・解析(垂直統合)を行える地球環境観測データベースを構築し,更に膨大なデータベースから有用な情報の自動検索が可能となるシステムを構築した。
|
今後の研究の推進方策 |
冬季気象観測では,前年度に構築したデータベースに格納するシステムに,実際に冬季気象観測データを格納し,運用試験を行う。更に膨大なデータベースから有用な情報を自動的に検索し,データ解析やグラフ表示まで可能なシステムの構築を図る。 森林観測では,現地調査データと衛星観測データをデータベースへ登録するためのデータを整理する。 衛星による宇宙の電波観測では,磁気圏観測衛星「あけぼの」および月周回衛星「かぐや」により観測された宇宙の電波環境データは既に受信されているので,前年度に引き続きそれらの膨大なデータから様々な解析を行うためのソフトウェアを開発する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
システム構築のための物品費,情報収集のための旅費等を使用する予定である
|