研究課題/領域番号 |
23656263
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
村本 健一郎 石川工業高等専門学校, その他部局等, 校長 (70042835)
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研究分担者 |
谷口 健司 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (20422321)
笠原 禎也 金沢大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50243051)
久保 守 金沢大学, 電子情報学系, 助教 (90249772)
鎌田 直人 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (90303255)
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キーワード | データベース / 地球環境データ / 降雪観測 / 森林観測 / データ解析 |
研究概要 |
地球環境は短期的な変動を伴いながらゆるやかに変化し,また多様な因子が複雑に関係するので,観測データを長期にわたって記録し,その中から有用なデータを抽出することが不可欠である。現在,ほとんどの研究者は独自の方法で地球環境観測データの収集と解析を行っており,データ収集に関わった以外の者がデータを利用することは少ない。そのため,貴重なデータが十分に活用されないままになっているのが実状である。 日本海側では集中豪雪が発生することがあり,その予測は重要である。これまでに,短期降雪予測を目的として,様々な観測機器を導入して詳細な観測を行っている。冬季気象観測データはそれぞれ自動的に収集されるシステムを用いて観測されているが,機器ごとに観測データの書式が異なっているので,データベースとして統一的に解析する場合の障害となっていた。 広域の森林観測は重要であり,衛星リモートセンシングの活用が有効であるが,衛星リモートセンシングを活用するためには,現地調査による地上データとの比較・検証が不可欠である。そのためには,同一地域における現地調査データと衛星観測データを用いて,データベースへ登録することが必要である。 本年度は,昨年度に引き続き降雪観測データおよび森林観測データの収集を継続し,それらのデータをサーバーへ格納するシステムを構築した。更に,膨大なデータベースから有用な情報を抽出し,データ解析やグラフ表示まで可能なシステムを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
冬季気象観測および森林観測では,地上観測データと衛星観測データの収集はおおむね順調に進んでいる。 衛星による宇宙の電波観測では,磁気圏観測衛星「あけぼの」により長期間かかって取得した地球磁気圏データ,および月周回衛星「かぐや」により取得したデータから科学成果を引き出すためのアルゴリズムの開発は順調に進んでいる。 これらの膨大かつ多様な地球環境データの収集・相互参照(水平統合)と長期的な蓄積・解析(垂直統合)を行える地球環境観測データベースを構築し,更に膨大なデータベースから有用な情報の抽出が可能となるシステムの開発もほぼ当初の計画通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
冬季気象観測では,前年度までに構築したデータベースに格納するシステムに,実際に冬季気象観測データを格納し,運用試験を継続する。更に膨大なデータベースから有用な情報を自動的に抽出し,データ解析やグラフ表示まで可能なシステムの構築を図る。 森林観測では,現地調査データと衛星観測データをデータベースへ登録するためのデータを整理し,データベース化する。 衛星による宇宙の電波観測では,磁気圏観測衛星「あけぼの」および月周回衛星「かぐや」により観測された宇宙の電波環境データは既に受信されているので,前年度に引き続きそれらの膨大なデータから様々な解析を行うための手法を開発する。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ収集およびシステム構築のための物品費,研究成果発表のための旅費等を使用する予定である。
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