研究課題/領域番号 |
23656266
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鳥越 一平 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40134663)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | センシングデバイス / マイクロフローセンサー |
研究概要 |
本課題は、櫛歯型微細電極を用いて、電気二重層拡散層内のイオン移動を時空間フィルタリングし、マイクロチャネル内流速を周波数に変換する、新しいマイクロフローセンサーを実現することを目的とする。 平成23年度は、(1)櫛歯微細電極の設計パラメーターを確定するための、市販の金属蒸着ガラス、プリント基板等を使用した予備的な実験、(2)リソグラフィーを用いたマイクロ流路製作のプロトコル確立のための試作、(3)実体顕微鏡と微小移動ステージを組み合わせた基板-流路アラインメント治具の製作、などを実施した。 しかしながら、(イ)ドライフィルム(流路)と電極チップの密着性の確保、(ロ)インピーダンス測定回路内の可変コンデンサの接点安定性、(ハ)電極パターン幅の加工限界、などの問題が生じた。このため、当初予定していた櫛歯微細電極のファウンドリーサービスへの外注は平成24年度に延期し、(4)PDMSを用いたマイクロ流路製作のプロトコル確立、(5)可変コンデンサーを除いたインピーダンス測定回路の再設計、(6)電極パターンと加工工程の見直しなど、項目と内容を拡大した予備検討を継続した。 平成23年度の予備検討により、電極チップ製作、流路製作、インピーダンス測定回路製作、流路-電極チップ貼り合わせに関しておおよその見通しが得られた。平成24年度には、電極チップおよび流路マスクをファウンドリーサービスに外注し、試作センサーを作製して実証実験を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備検討の段階で、ドライフィルム(流路)と電極チップの密着性の確保、インピーダンス測定回路内の可変コンデンサの接点安定性、電極パターン幅の加工限界など、想定外の問題が生じた。このため、当初予定していた外注による製作を平成24年度に延期し、予備検討を、項目と内容を拡大して継続することにした。
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今後の研究の推進方策 |
予備検討段階で想定外の問題が生じたが、それらを解決するための方策を検討し、電極チップ製作、流路製作、インピーダンス測定回路製作、流路-電極チップ貼り合わせなど、実証実験を実施する上で必要な事項に関して、おおよその見通しが得られた。平成24年度には、電極チップおよび流路マスクをファウンドリーサービスに外注し、試作センサーを作製して実証実験を実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
電極チップの外注を延期したために、電極チップ試作の為に計上していた平成23年度予算の一部の執行を延期した。一方、予備検討の項目や内容を拡大したため、これに伴い、23年度内の消耗品費は若干増加した。差し引き約110万円の予算を、平成24年度に繰り越し、電極チップおよび流路マスクの製作と、実証実験を実施する計画である。
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